ヨシゴイ
コウノトリ目 サギ科
英名:Yellow Bittern(黄色いサンカノゴイ)
学名:Ixobrychus sinensis
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準絶滅危惧(NT)
全 長 :37p
見られる時期:夏鳥として5月〜9月下旬
生息場所 :湖沼・河川などの芦原
類 似 種 :大ヨシゴイ
特 徴 :雌雄で若干異なる。 ♂は頭上の青色が明白で胸の縦斑が中央の1本を除いて不鮮明。
♀は頭上の青色が目立たず、胸の黄色い縦斑がはっきりしている。 初列・次列風邪切羽
の青色は両方とも鮮明。
葦原・蒲原に生息して川蝦や小魚を餌にしながらシーズンに2回くらい子育てを行なう。
インドから東南アジア〜中国東北部・日本列島で繁殖し、日本を含む東アジアのものは東南アジアから
インドネシア〜ニューギニア方面に渡って越冬する。 日本全国で繁殖するが目にする機会は少ない。
河川の開発による芦原の消滅などによって数が減少。 レッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定され
ている。
東海地区では名古屋市緑区の池が定期的な繁殖地として有名。 他でも目にする機会は有るようだが、
餌とリの様子など生態を観察出来るのはここだけだ。
ヨシゴイは葦原の中に営巣するが、餌は岸近くの蒲原に出てきて獲る。その蒲が元気なく減ってゆく気配が
あり、雷魚などの外来魚が悪影響を及ぼしているとして地元の観察者のTさんが発案して2,004年3月6日
に池の水を落として区役所とボランティアによる池の清掃が実施されて私も参加した。
現状 蒲の状態は以前に比べて芳しくなく、衰退している原因は地球温暖化による夏の気温の上昇によって
水温が上がっているせいではないかと個人的に思っている。
池の水抜き清掃後のヨシゴイの池。 2,004年6月22日。 葦原・蒲原が小さくなっている。
浮き草の上で蒲の枝に掴まって♂が餌を獲った瞬間。 水面に草が無いとこのようなポーズをとってくれ
ないので全身を撮るのは難かしい。
2,004年7月11日 名古屋市緑区
頭上の青色部分が小さく、胸に太い縦線が入っているので♀。 ヨシゴイは危険を察知すると葦に擬
態するが、この池では観察者をまったく気にするそぶりは無くプレッシャーを感じていない。
2,004年7月11日 名古屋市緑区
最近は滅多に出てこなくなったが、目の前で繰り広げられるパフォーマンスの面白さは飽きることがない。
2,004年7月11日 名古屋市緑区
巣のある芦原から採餌場の蒲原までは飛んでくる。 また、近くに別の池が有るので飛翔場面も見られる。
初列・次列風切羽の青い色が特徴的で、別のフィールドで見かけた時の識別点になる。
2,004年7月11日 名古屋市緑区
蒲と葦が盛大に茂っていたときはヒナたちも伝って餌とリにやってきたが、今の状態ではここまで来るの
はまず難しい。 子育ては大抵2回は行なわれ、撮影日からこのヒナは1回目の子供たちである。
全体的に産毛が残っているが親とあまり変わらない姿なので産まれてからかなりの日数が経っている
と見られる。
2,003年7月20日 名古屋市緑区
初列・次列風切り羽の濃紺と薄茶色の雨覆いの色との対比が鮮やかで飛ぶときも一際よく目立っ
ている。
2,006年7月27日 ♂
この写真は2,007年9月の撮影なので2番目の子供たちとみられる。 最近はヒナが見難くなかなか
まともに撮れずこの程度。 だんだん観察しにくくなって大きくトリミングしている。
2,007年9月11日 名古屋市緑区
首を大きく伸ばして餌を捕えようとしている♀。
2,010年7月2日
池際の高木の上で擬態しながら上空を警戒するヨシゴイ。
観察者が少なかったせいか目の前を悠々と歩いて通過して行く♀。 2,010年8月6日。
時々餌を捕りながら池の護岸の端まで歩いて行った。 2,010年8月6日。
2,014年6月23日 最後に見たヨシゴイの♂。 翌年以降も何回か出掛けたけど出会いは無くなった。
都会の真ん中の釣堀池に毎年繁殖にやってくるヨシゴイの不思議さ。 いつまでも続いてくれることを
願ったけど私が見られたのは2,014年の夏までだった。 葦原も蒲原も随分大きくなったのに残念である。
2,014年6月23日当時
記:2,009年 1月15日
2,021年12月19日
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