ワライカモメ チドリ目 カモメ科 学名:Laughing Gull
英名:Larus atricilla
日本産鳥類リストには未だ記載されていない(2,009年7月現在)。
全 長 :約40cm
見られる時期:稀な迷鳥として主として関東で2月〜9月まで夏羽・冬羽の記録が残されている。
生息場所 :海岸
類似種 :冬は頭が白く冬は黒くなるズグロカモメ・ユリカモメ・アメリカズグロカモメなどに似る。
特 徴 :
ワライカモメ:夏になると頭が黒く嘴は赤くなって脚は黒っぽい赤色。 冬は頭が白くなり、嘴と
脚は黒くなる。 嘴はズグロカモメと比べて随分と長い。
ユリカモメ:冬羽は嘴と脚は赤色で、夏は僅かに赤味を残した黒色になる。
嘴はズグロカモメと比べて長い。
ズグロカモメ:嘴が短く夏冬とも黒色。 脚は短く夏冬とも赤色。 嘴は短い。
アメリカズグロカモメ:夏羽は嘴・脚とも赤くなり、冬になると両方とも黒くなることからパターンが
一番似ている。 嘴はワライカモメの方が長く厚みがあり、先端が下向きに
僅かに曲がっている。
ワライカモメはユリカモメと大きさは同じ。 アメリカズグロカモメはより小さい。
ワライカモメが掲載された図鑑が少ないため特徴を把握するのがなかなか難しい。
北米大陸の南部で繁殖し、冬は南部からブラジル方面に移動して越冬するため日本への飛来は稀。
2,000年6月に小笠原諸島の硫黄島で初認されてから以下の記録がある。
2,000年6月 小笠原諸島硫黄島 冬羽から夏羽に換羽中の写真
2.000年9月〜11月 愛知県豊橋市汐川干潟 冬羽
2,002年5月〜6月 千葉県銚子市 成鳥夏羽
2,002年9月 東京都東京港
2,003年2月 千葉県銚子市 冬羽
2,003年5月 茨城県波崎町 冬羽から夏羽に換羽中
2,003年8月 川崎市多摩川河口 夏羽から冬羽に換羽中
2,008年の夏に愛知県に姿を見せたワライカモメは久々の夏羽ということで話題を集めた。 遥か沖合いの
波消しブロックに羽を休めていたため満足な写真は撮れていないが、長い嘴がとても特徴的だった。
2,008年7月15日 愛知県一色町
あまりにも遠いため上の写真では嘴の色は黒く潰れているが、トリミング拡大してみたら暗い赤色をしていた。
かなり分厚く見えるのもワライカモメの特徴だろうか。 この写真では脚の色までは見えない。
2,008年7月15日 愛知県一色町
次列三列風切羽のエッジが白く縁取られ、尾羽が白いのもアメリカズグロカモメと酷似している。
2,008年7月15日 愛知県一色町
初列風切り羽先端の白斑は確認できなかった。 嘴はとても長くみえる。
2,008年7月15日 愛知県一色町
今回は近くで写真が撮れなかったのが残念。 機会が有ればもう少し近くで撮りたいものだ。
なお、これまでの記録は同一個体ではないかとも言われているがさて・・・。
記:2,009年2月20日
2,008年にアメリカで制作され2,009年6月に放送されたドキュメンタリー番組「カブトガニとコオバシギの奇妙
な関係」の中のデラウェア湾での場面にワライカモメがたくさん登場していてまるでこちらのユリカモメ状態だった。
あれだけいてもこちらに来れば超珍鳥。 特に夏羽はなかなか見られない。
2,019年8月、再びワライカモメが姿を見せた。 11年前の7月が夏羽だったのに対し、僅か1ヵ月遅れで現れた
のは僅かに夏羽を残した冬羽だった。
2,019年8月24日
大型カモメと比べるとかなり小さく、ユリカモメと同じくらい。 砂浜に降りてきたとき、ユリカモメが降りてきたと思った。
口の中は赤かった。
記:2,009年7月13日
2,019年8月24日 改定
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