トラフズク
フクロウ目 フクロウ科 英名:Long-eared Owl
学名:Asio otus
全 長 :36cm 雌雄ほぼ同色
観察可能時期:東海地方では冬に観察される
生 息 場 所:平地から山地の林・農耕地・河原など 昼間は人目につきにくい竹やぶや樹陰で休んでおり、
夕方から活動を開始する。
類 似 種 :コミミズク コノハズク オオコノハズク
特 徴 :英名のように長い羽角が特徴。 羽角はコノハズクも持つが体が小さい。
♀は体下面の縦斑が♂に比べて太く濃く、横斑が交差して褐色味が強い。
ユーラシア大陸・北米大陸の温帯域に生息する。
日本では中部以北で繁殖し冬は関東から南の地方に移動する。 東海地方では冬鳥として渡来するが、山林
や農耕地で発見するのは難しく、公園などで観察されても機会は少ない。
鳥見歴の長いベテランさんに聞いたら「公園で見るもの」との返事が返ってきたように、見難い場所にいるの
でこの地方の野山で見かけることは無いようだ。
写真のトラフズクは褐色味が強く、太い縦斑に横斑が交錯しているが性別不明。 公園の木立の中で複数羽
で越冬した。
2,006年1月25日 名古屋市
上の写真より羽角が短く、顔盤がくっきりしているので別の個体か・・。
2,006年1月25日 名古屋市

上と同個体の全身像、♀は褐色みが強いとの記述があり、首のあたりの縦斑が粗いので♀と推定。 胸の斑
での識別と言ってもかなり微妙で難しそう。
2,006年1月25日 名古屋市

翌年の冬も同じ公園に現われたトラフズク。 個体変異が多いとのことだが同じ場所で越冬することはよく
有るので前年に越冬した個体の中の1羽かもしれない。 この時は撮りにくい場所にいたせいで良い写真が
残っていないのが残念。
2,007年2月27日 名古屋市の公園

2010年から2,011年にかけての冬は3羽が同じ公園で越冬した。 低い木を定位置にしていたが、上手に隠れて
いて写真にはならなかった。
2,011年1月28日 名古屋市
しばらく間を置いて出掛けたけど前より悪かった。
2,011年3月9日

次第に見難くなっていってこの年を最後に行くことは無くなり、その後居場所が公園から外に出たと聞いて行き先も
おおよそわかっている。
2,014年2月26日

2,024年 岐阜市の公共施設で1羽のトラフズクが越冬していると教えてもらった。 時期的にもう遅いかなと
思ったけど4月1日に行ってみた。 長良川に近い公共施設に外部から入る歩道の脇・・1m位の小さな常緑樹
の枝に1羽のトラフズクがひっそりと止まっていた。 トラフズクは近くで見られることが多かったけど、それまで
に見た個体の中でも摩耗が少なくとても新鮮で美しく見えた。
縦斑が細いので♂と推定。 年齢の推定は困難とされている。
距離が近いので300oズームレンズでも随分引いて撮影したけど、光線が強くて撮りにくかった。

300oでも近すぎるので引いてとっている。 ちょうど春休みと有って親っ子連れが多く通りかかり、スマホを使って
写真を撮るも嫌がる気配を見せない。 止まり木の下には糞がかなり落ちていたので餌は潤沢に見えた。

止まり木の真下にある糞を警備員が片付けていた。 写真を撮る人たちもかなり接近して数メートルの距離だ
けど、どこ吹く風でアクビの連続。


こんな機会は無いので近くによって葉の間から顔を撮らせてもらった。 瞳が大きく素敵な顔だった。

記:2,008年9月21日
2,011年2月10日改定
2,024年4月 9日改定
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