戸隠と言えば日本でも有数の探鳥地として有名な存在で、一度は行っ
て見たいと思っていたがあまりにも遠い。 二の足を踏んでいたが、このた
びようやく行くことが出来た。

 戸隠の探鳥についてはネット上にたくさんの情報が有るが、せっかく行っ
たので6月初旬の探鳥記として残すことにした。

 今回のターゲットは写真の撮れていないコルリ・ノジコ・キバシリ・ゴジュ
ウカラで、一通りは撮ったが鳥たちは遠かった。

 ネットで戸隠について調べていて赤い鳥が出ているのを知り、友人から
も情報を貰っていたので見られればいいかなー・・・程度で期待はしてい
なかったがドサクサ紛れのうちに幸運にも撮ることが出来た。

 子育てに入ったこの時期は鳥たちが姿を見せてくれないのではないかと
心配した通り、観察した鳥は少なくないが鳥たちは遠くて端境期の印象だ
った。
 トイレは神社駐車場と神社側から入った場所に
各1箇所と公園駐車場に1箇所しかないので2時
間に一度くらいははどちらかに戻るようになる。
 そのつもりで探鳥コースを設定すること。



 クリンソウが綺麗に咲いていた。  水芭蕉も少しだけ咲いていたが、見ごろはGW頃とのことで少し遅かった。
 冬鳥・夏鳥・留鳥とここで子育てをする鳥たちは多い。  一番遅くまで滞在しているアカハラがどうしてゆっくりしているのか・・大陸まで
行くカモたちに比べてアカハラの繁殖地が近いのがよくわかる。  春に通過してゆくだけのコムクドリも写真は撮れなかったが姿だけは
見ることが出来た。   お目当ての鳥たち以外にも写真が撮れた。
            アカハラ       キビタキ      コガラ          コガラ       コサメビタキ
ノジコ  
 探鳥会にくっついていて見付けてもらったノジコだが、次に同じ場所でもう少し良い条件で写真が撮れたので最初に撮った写りの
悪い写真を全て削除してしまった。  帰ってきてPCに入れてみたらノジコだと思っていたのはホオジロだった。 ガク!  
 撮ってきた写真を再度チェックしてみたらアオジだと思っていたものがノジコだった。   やはり遠くて写真でははっきり判らないが、
嘴は上下とも黒くて胸の斑がほとんど無く、目立たないがアイリングが見えて囀っていた。 これはノジコの♂だ。
 左の3枚はノジコで右の2枚はアオジ。
アカショウビン  
 ネット上で公開されているのでアカショウビン狙いの人が多かった。  グループの人たちがあちこちに分散して電話や無線で行動を
連絡しあっているので今回は便乗して短時間で写真を撮るに至った。
 撮影場所が逆光の位置になったので写真の出来はもう一つだったが、目の前の枝に止まっている姿は印象的だった。 
でも、前に見た時はもっと鮮やかだったので何とか成らないかと写真を再チェックした。  まー、こんなものかなー・・・。
6月1日(金)
 森林植物園に着いたのは午後の1時過ぎだった。 今日は様子を見ることにして400oレンズを付けた一眼レフのみ持って園内
に入っていった。  きょろきょろしていると前から友人のSさん夫妻が現われてびっくり!  たくさん見たよと教えてもらって安堵した。
 
 この日は園内の案内看板で確かめたたくさんの通路を適当に鳥たちを探しながら歩き、ゴジュウカラの営巣場所やキバシリも沢山
見た。 400oレンズでは短いので写真を撮るのは明日にして5時前まで園内を散策した。
 宿の近くを散歩していて枯れた白樺の傍を通ったときにジジッジジッと奇妙な音が聞こえた。 けっこう大きな音でじじい爺と自分を
呼んでいる。  誰だろうと上を見たら2mくらいの所に丸い穴が開いていた。  何の巣だろうと離れて待っていたらアカゲラが入っ
ていった。  中に雛がいてあの音は雛が騒いでいたのだ。 アカゲラは何度も餌を運んできていた。

6月2日(土)
 朝4時に起きて4時半に宿を出た。 今日は戸隠神社側の駐車場に車を入れる。  土曜日の朝とあって何組もの探鳥会のグルー
プやバーダーさんたちがもうたくさん集まって三々五々園内に入ってゆく。
 私たちも入っていったがまだ薄暗くて鳥の姿はあまり見えず、こんなに早くなくても良かったかなと思う。 
たとえ鳥が出てきても写真は撮れない。 
 今日は目的の鳥たちを撮る為にひたすら園内を歩いた。  ノジコは探鳥会のグループに付いていってゲットしたが遠くて写真になら
ない。  ゴジュウカラは昨日見付けた巣穴の近くでプレッシャーを与えない距離から撮らせてもらった。  写真は目一杯トリミングして
あるので見難いかもしれない。  この巣穴に気付いている人はいないらしく近くを何度も通りかかったが観察する人は見なかった。
教えるとカメラの砲列が出来そうなので内緒にしておいた。

 キバシリはたまたま巣立ち雛が出ているところを通りかかってこれもプレッシャーを与えない距離から撮らせてもらった。
 コルリはたくさん鳴いているが少しも姿が見えない。 
 あちこちでアカショウビンの話でもちきりだ。  探鳥会のグループがたっぷり観察したとかで夢見心地の女性を見ているとアカショウ
ビンを追いかけようかと思うが、午後は出が悪いらしく待っている人がいないので明朝にかけることにしてコルリを探したが見付からず、
午後の4時でギブアップ。  朝早くから歩いたので昼前からフクラハギが痛み出してもう限界だった。

6月3日(日)
 今日は朝の5時に起きて5時半に出掛けていった。 昨日にまして人が多いのかと思ったが今日は昨日の半分以下と少なかった。
 コルリを探して歩きながらアカショウビンのポイントに向かう。  アカショウビンの飛行ルートの一部にコルリの鳴いている場所が有
って一グループがしきりに姿を探していたので一緒に探したが姿が見えない。
最終日なのでまずはアカショウビンをゲットしようと歩き出したところで動きが有ったので付いていって何とかゲット。  狭い木道にそ
う多くはないがカメラが並んだので自分の位置からだと葉っぱが被ってしまったが仕方がない。 撮れただけで満足だ。
 
(アカショウビン飛来情報は戸隠地区の宿泊施設が客寄せに利用してネットで流しているので秘密という訳ではない)

アカショウビンは帰る前にもう一度寄ってみたがカメラマンは誰もいなかった。 出没は午前中のことが多いようだ。

 肝心のコルリはその後見付けてくれた人がいて写真を撮ったがあまりにも遠くて証拠程度にしかならなかった。 
コルリ目当てで来ている人が多かったが、なかなか姿が見えずに皆さんが難儀していた。 
 一番沢山見たのはアカゲラでいたるところで姿を見かけ、巣穴もいくつか見付けた。  声だけで姿を見なかった鳥も多い。  森林に
出掛けるならいそうな鳥の鳴き声を聞き分けられれば面白いだろう。  なかなか難しいがしっかり覚えたい。

 これからの時期は木の葉が茂って姿は見難くなるが巣立ち雛に会える楽しみがある。  これも楽しそうだが来年はGWの終わった
後くらいの巣作りの時期に再度訪れてみたい。 


3日間で観察した鳥たち  42種類
 
カイツブリ(写)  アオサギ  カルガモ  キジバト(声)  カッコウ  ツツドリ(声)  ホトトギス  アカショウビン(写)  アオゲラ(声)
 アカゲラ(写)  コゲラ  キセキレイ   サンショウクイ  ヒヨドリ  モズ  ミソサザイ(写)  コマドリ  
コルリ(写) クロツグミ(声)
 アカハラ(写)  ウグイス(写)  センダイムシクイ(声)  キビタキ(写)  オオルリ(声)  コサメビタキ(写)  エナガ  コガラ(写) 
 ヒガラ  ヤマガラ  シジュウカラ  
ゴジュウカラ(写)  キバシリ(写)  メジロ  ホオジロ  ノジコ(写)  アオジ(写)  クロジ  
 カワラヒワ(写)  ニュウナイスズメ(写)  コムクドリ  ハシボソガラス(声)  ハシブトガラス(声)
 

                   戸隠探鳥記   2,007年6月1日〜3日      目次に戻る
   
    

 撮ってきた写真を並べてみたがあまり綺麗には撮れなかった。 今の時期なら鳥たちまでの距離が遠いのでデジスコの方が良いかも
しれない。  実際にデジスコで撮っている人がたくさんいた。 ただし、森の中は思ったほど明るくないので歩留まりは良くないかもしれ
ない。   最後に公園の地図を掲載しておいたので参考までに
キバシリ
 キバシリも初日にあちこちで見たのでたくさん居ると思ったが、翌日写真を撮ろうとしたらなかなか見付からなかった。  あちこち歩いて
いて雛の出ているところに遭遇した。  プレッシャーを与えないだろう距離から写真を撮らせてもらいながら親が雛に給餌する様子を観察
した。  動きがすばしこいのでこんな場合でないと私のカメラでは写真が撮れない。 
 3枚目は木を登っているところだが、脚をたたんでまるで飛んでいるようだ。
ゴジュウカラ
 到着してすぐに見られたのでたくさんいるのかと思ったがそう多くはない。  アカゲラの巣を見ていた時に突然現われたゴジュウカラ
は私のカメラでは追いつけないくらいすばしこく動いていた。
  
コルリ  
 園内のあちこちでウグイスに次いで多く鳴き声を聞いたのがコルリだが、なかなか姿を見せてくれなかった。 やっと撮った写真がこれ
では情けないが、タイミングが悪かったのだから仕方が無い。  この個体は胸に赤味が有るのでまだ若い個体だろうか。
 アカゲラ
  園内で一番沢山見たのがアカゲラだと思う。  アカゲラの巣の前で待機しているカメラマンのグループがいた。 雛が出ていたのか。