シマアジ
カモ目 カモ科 英名:Garganey
全 長 :38〜41p
観察可能時期:数少ない旅鳥として3月・4月と9月10月に通過
生 息 場 所:湖沼・池・河川・河口干潟など 淡水ガモ
類 似 種 :♂成鳥は類似種無し ♀と♂のエクリプスはコガモに似る
特 徴 :♂成鳥繁殖羽は白い眉斑が長く湾曲して首まで伸びる
♀とエクリプスはコガモに似るが眉斑が有ることから識別は容易
また、雨覆いの色が♂は灰青色、♀は若干褐色味が掛かると言うが・・・
♀は口元に白い点が有ることからトモエガモの♀との識別に注意。
ユーラシア大陸の中部ヨーロッパからロシア東部・沿海州から樺太方面にかけての広範囲で繁殖し、
冬は中国大陸南部から東南アジアに渡って越冬する。
東海地方では3月末から4月に掛けて少数がほぼ定期的に通過し、秋は9月から10月頃に少数が
通過する。 春は♂♀のカップルで通過することが多いが、小さな集団で通過することもある。
秋はエクリプスや幼鳥が混じるので識別に挑戦してみたい。
成鳥♂。 春に通過する個体は繁殖羽になっているので雌雄の識別は容易。 肩羽が飾り羽になって
青灰色の雨覆いを隠している。 少し薄いけど頬には♀のように黒い斑が有る♂もいる。
2,007年4月6日 愛西市
成鳥♀タイプ。 コガモの♀に似るが白い眉斑が有るので識別は容易。 口元の白点が目立つ。
4月の撮影なので成鳥♀と思うけど♂の若が混じっている可能性もある。
この個体は肩の飾り羽が無いので♀。、
2,007年4月6日 愛西市
♀は個体差が多く、この♀は過眼線の上下の白線が鮮明で過眼線は頭の褐色部と繋がる。 嘴付け根
の白点もはっきりしていて上の♀とは印象が異なる。
♀は眉班の色が♂と比べて薄い。
2,006年4月6日 愛西市
この個体は2,010年4月14日の撮影で♂と2羽で行動しており、♂と判断できる材料が見当たら
ないので♀あるが、過眼線の下側に白線が無いので上の個体とかなり違っている。
過眼線が頭の褐色部分との繋がりが微妙。
2,011年10月10日撮影の♀タイプ。 向こう側はシマアジとはっきりしている。 時期的に♂エクリ
プスか♀か見極めようとしたけど何とも微妙である。 写真はこれを含めて2枚しかなく、しかも遠かった
ので解像度が悪い。
なんとか♂のエクリプスと判定しようとあれこれ検討してみたけど出来なかった。
この付近でシマアジが越冬したことは無いので、エクリプスできた♂が換羽してゆく様子は見られない。
ネット上で換羽前のエクリプスの精細な写真が掲載されていたのでこれをプリントして毎日見ているが、
カモ識別辞典を見ると個体差は大きく識別は難しい。
この写真は2,012年4月7日撮影のシマアジ。 春の撮影で♂♀のカップルに見えたけど、左の個体は
胸と腹部の境界がはっきりしており、肩羽の飾り羽が伸びているので♂。 カモ類は冬には生殖羽に換羽
するのでまだ若い♂と判断した。 繁殖羽への換羽が他の種類より遅いとの意見もあるが、春になっても
換羽が終わっていないのは遅すぎると思う。
2,019年9月13日撮影の♀タイプ。 虹彩が赤く見えているので成鳥か。
2,019年9月13日の撮影の上と同一個体。
雨覆いが美しい灰青色で翼鏡の上下の白色帯の幅がほぼ同じで広い。
胸の色が♂の特徴である赤味を帯びており、これらの点を総合して♂エクリプスと識別した。
過眼線が頭に繋がっていることは雌雄識別の判断基準にはならない。
2,024年9月30日・蓮田を1羽だけで泳いでいた。 首から胸にかけての斑が細かいので幼鳥
(日本のカモ識別図鑑による)。 翼鏡が見えていないので雌雄の識別は難しいが、眉班の白さが目立って
いるので♂だろうと判断している。
記:2,009年1月13日
2,023年5月29日
2,023年10月1日 改定
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