オオタカ           
                      タカ目タカ科 ハイタカ族
                      英名:Northern Goshawk
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  オオタカ基本情報
  全   長  : ♂47~52cm ♀53~59cmと♀が一回り大きい
  雌雄の識別 : 2羽並んだ場合は大きさで識別する。
           ♀は♂と比べて頭の色が茶色っぽいとされるが光線によって微妙。 
           成鳥の胸の横斑は♀が♂に比べて濃く、♂は薄いのでより白く見えるがこれも微妙。
           ♂の虹彩は橙色が濃いとされているが♀にも濃いものがいることが確認されている。
           (環境庁省自然環境局野生生物課・オオタカ識別マニュアル改定版) 
  生 息 域 :北半球の大陸のヨーロッパから北アメリカ大陸の中緯度地域から北の地方に生息。
          日本では留鳥として日本固有亜種オオタカが本州と北海道で繁殖している。
  亜  種  :日本産亜種オオタカはチョウセンオオタカに類似するが僅かに小さい。
          亜種チョウセンオオタカ(ロシアから中国・朝鮮半島で留鳥)・シロオオタカ(シベリア
          北東部からカムチャツカ半島で留鳥)がごく稀な冬鳥として飛来する。
  換  羽  :成鳥は年に1回換羽するが
          幼鳥は生まれた年の冬は幼羽のまま過ごし、翌年の春から夏の終わりに掛けて成鳥羽
          に換羽して2年目の冬は成鳥として扱われる。
          夏ころには胸の縦縞の幼羽に横縞の成鳥羽が混じった個体が見られる。
  繁  殖  :♂の繁殖入りは生後2年目の夏からであるが、♀は1年目から繁殖することも有るようだ。
  寿  命  :オオタカの寿命は10年から12年とする説や15年とする説など様々ではっきりしないが、
         山階鳥類研究所の鳥類標識調査表には雛の時期に足環を付けた個体が18年8ヶ月後
         に死体で回収された例と、成鳥で捕獲され足環を装着された個体が17年1カ月後に再
         捕獲された2例が記載されている。
          たまたま高齢で回収されたというより18年と長生きする個体もいるのだと思う。
          平均寿命がどのくらいかはこの調査表からはわからないが思ったより長生きしている。
                      
   これまでオオタカとの出会いを調べてみたら2003年12月から24年末までに220回を超えていた。
   繁殖時の観察記録も含まれるので全てではないが、大部分は10月から4月の背割り堤での撮影で
  近距離での撮影も多かった。

   そんな前歴が有るのでオオタカは普通に見られ、警戒心はあまり大きくないと思い込んでいた。
   しかしそれは2,023年の秋までの話で、それ以後はほとんど出会いは無く、見掛けても写真距離
  より遠くてこちらに気が付くとすぐに飛ばれてしまうようになった。
   その時、ひょっとして背割り堤で撮影していたのは同じ個体だったのではないか・・・。 しかし、寿
  命が10年から15年となると途中で代替わりしている。 個体識別は難しいと思うけど一度写真を
  見比べてみるかと考えた。
  
  ①2006年1月20日  横向きなので分かりにくいけど胸は白く横斑は薄いので♂に見える。 頬の
     黒い斑が下に大きく伸びている。
      

  ②2006年11月13日  虹彩の色が金色で頬の黒い部分が上とは違うので別個体とわかる。
      

  ③2008年12月2日  虹彩の色や頬の模様が①とも②とも違っているので別個体だろう。
      

  ④2009年9月29日 上の個体とよく似ているが眉班が太い。 見え方にもよるので同じ個体かも
        しれない。 胸の横斑が太目ではっきりしている。
      

  ⑤2012年2月25日  ④の個体とよく似ている。
      

  ⑥2013年2月1日  赤っぽくなったのは光線の加減。 眉班が後方で太くなっているので初見
        の個体。
      

  ⑦2015年3月12日  
      

  ⑧2016年1月14日  頬の黒い模様が10年前に撮影の①の個体とよく似ている。
      

  ⑨2017年1月20日  眉班が大きくて全体に茶色っぽい。 2013年の⑦と似ている。
      

  ⑩2018年3月7日 眉班が頭の後ろの方で上にカーブしている。
      

  ⑪2019年2月11日 胸の横斑が濃いので♀かな~・・・。 上とは別個体に見える。
     

  ⑫2019年5月8日 背割りに現れたこれまでのオオタカと異質の個体。 
     

  ⑬2,019年5月8日 繁殖時の2羽。 右側にいるのが⑫のオオタカで背中が茶色っぽいこと
     や顔の黒色部分が茶色いことから私には♀に見える。
     

  ⑭2019年5月8日  ⑬と同じ個体。 前から見ると胸の横斑が太く見える。
     

  ⑮2019年6月3日 ⑬の個体はいなくなって巣の中で卵を抱いているのは♂と判定した方だった。
      オオタカは♀がいない時に♂が抱卵することはあるけど、♀と判定したオオタカはこの後1度
      も見ることは無かった。 
      この巣では2羽の雛が無事に育って巣立ちした。 こちらが♀なのだろうか。
      オオタカの営巣場所は♂が決めるとされ、この巣の場所は複数回使われている。
     

  ⑯2019年6月3日 ⑮と同じ日に別の場所で子育てしていた♀とされていたオオタカ。
     
     
  ⑰2019年6月12日  同じ背割り堤で見掛けたオオタカ。 背中が茶色っぽいので♀かもしれない
        けど、眉班の形を見ると⑮の個体とは別に見える。
     

  ⑱2019年12月19日  もうここまでくると違いがわからなくなる。個体識別は困難。
     

  ⑲2020年11月13日  眉班が⑱とよく似ている。 
     

  ⑳2020年12月18日  
    

  ㉑2021年3月1日  背景が無いのでわかりやすい。
    

  ㉒2023年1月4日  ⑮の個体と眉班の形が似ている。
    

  近くで撮れたのはこの当たり迄。 1年に1個体くらいの割で写真を掲載した。 個体識別は主として
 眉班の形である程度出来そうだと思った。 縄張りを持つオオタカが毎年入れ替るということは考えに
 くいので写真を並べて比較してみたけど、結論を言うとまったくわからなかった。 
  雌雄の識別も胸の横斑の濃淡は光線の当たり具合で変わるし、大きさの違いは並ばないとわから
 ない。 識別方法はいろいろと言われていたけどどちらにしても微妙で写真を並べてみるだけでは識別
 できないとわかっただけだった。