ナベヅル ツル目 ツル科 英名:Hooded Crane
学名:Grus monacha
絶滅危惧U類(VU)
全 長 :100cm
観察可能時期:冬鳥として10月中旬〜3月末まで。
鹿児島県出水市(10,000羽・餌付け)と山口県周南市(10〜20羽)の田園地帯で定期的
に越冬し、他の地域でも不定期に越冬することがある。
その他の地方では迷鳥として稀。
生 息 場 所:水田・農耕地・河川
類 似 種 :クロヅル カナダヅル
ロシアのアムール川流域などシベリア東部で繁殖し、日本・韓国・中国の揚子江流域で越冬する。
出水平野は最大の越冬地としてその大部分(9割)が飛来するが、疫病の発生があった場合には大量死に至る危険がある
ため種の絶滅に繋がる恐れがある。
現地では越冬地を分散させようとする努力が行われているが効果は上がっていないようだ。
2,003年2月に雲出川の河口に1羽が現われた。 当時はまだフィルムカメラで撮っていたのでプリントから複写してみた。
写りが悪いけどナベヅルであることはわかる。 どれくらい滞在したかは不明。
2,003年2月23日 松阪市
2,005年の冬、滋賀県栗東市の野洲川河川敷公園にナベヅルの幼鳥が現われたのでカナダガンを見がてら一緒に見て
きた。 なにしろ図体が大きいので河川敷公園の芝生の上を悠々と歩いている姿はすぐに見付ける事ができた。
幼鳥が1羽だけで遠く離れた越冬地から飛来してきたのは不自然というわけで、人馴れしたカナダガンともどもどこかで飼
われていたものが放されたか逃げ出してきたとの憶測があった。
私たちが接近してもとくに慌てることはないが、常に一定の距離を保って芝生の上で草をついばんでいた。
とてもきれいだった。
2,005年12月2日 滋賀県栗東市
2,008年11月23日、四日市市の海岸に近い水田に11羽のナベヅルが降り立って11月25日まで滞在、26日には
鈴鹿市から飛び立って伊勢市に移動して越冬した。
幼鳥も混じえて11羽もいたので羽色の違いからナベヅルの大よその年齢を推定したみた。
2,008年11月23日 四日市市
ナベヅル幼鳥。 前で餌を食べている2羽は成鳥。 ファミリー単位で行動しているとみられるが、何家族か纏まって
いるのか、ファミリーの群れが若い個体を混じえて構成されている可能性もある。
2,008年11月23日 四日市市
11月26日、鈴鹿市に移動していた11羽の群れはやがて飛び立ち、上空を何度も旋回した後西に向かい、伊勢市
で発見されて越冬した。
2,008年11月26日 鈴鹿市
記:2,008年7月28日
2,013年4月24日改訂
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