コウノトリ               コウノトリ目 コウノトリ科
                           Oriental Stork   

    絶滅危惧Ⅰ類 (CR)     
    
特別天然記念物

    コウノトリは日本・韓国・北朝鮮・中国・ロシア南東部に固有の種であり、ヨーロッパで繁殖する
   ヨーロッパコウノトリは嘴の赤いシュバシコウと呼ばれる種類である。
    中国北東部・ロシア南東部アムール川・ウスリー川流域で繁殖し、冬になると韓国・日本・台湾
   香港・中国中南部に渡って越冬する。

    日本では明治時代以前には広範囲に生息していたが、周年生息する野生個体が1,971年2月
   豊岡市で捕獲され、豊岡市のコウノトリ飼育場に収容されたが一ヶ月後に死んだことで野生絶滅した。
    その後、1962年に文化財保護法に基づいて福井県と共に「特別天然記念物コウノトリ管理団体に
  指定されていた兵庫県豊岡市を中心とした一帯で保護活動が開始され、周辺の生息環境の整備と共に、
  動物園やロシアから譲り受けた個体を飼育繁殖して2,005年9月に放鳥して野生復帰が試みられている。
   1,999年にコウノトリの野生復帰を目的として兵庫県立コウノトリの郷公園が開園し、放鳥された個体
  は手厚い保護に寄って少しづつ数を増やしている。

   本稿では2,014年岐阜市と豊岡市、2,016年山県市、2,023年愛西市に飛来したコウノトリに
 ついて写真を掲載した。
 
  
2,014年7月14日 岐阜市  
   足環の色:右脚 黒・黒  左脚 赤・緑・青  個体識別番号:J0073 
   2,013年4月19日・京丹後市生まれ ♀  
   この後北上し、2,016年8月に北海道で目撃されて以降行方不明。 大陸に渡ったか・・。
    

    


  
2,014年11月5日  豊岡市
   足環の色: 右脚 赤・黄  左脚 黒・黒  個体識別番号:J0275
   2,000年4月11日 生まれの♂  6歳の2,006年9月24日 豊岡市河谷で放鳥
   2,016年3月27日 嘴損傷により一時保護され、5月に元気との発表があった後の記録が無い。
   飼育下でのコウノトリの寿命は諸説あるがおおよそ35年以上、野生の寿命はわかっていない。
    


  
2,016年2月6日  岐阜県山県市  
   脚に足環が付いていないので大陸から渡ってきた貴重な天然ものと思うけど、国内産にも足環
  の無い個体がいるそうだ。 
    

    


  
2,023年9月22日  愛西市
   足環の色: 右脚 青・赤  左脚 青・緑  個体識別番号:J0444 愛称:トミー
   2,022年4月小浜市生まれの♂  
    

    


  
2,023年11月30日 愛西市 
    足環の色: 右脚 黒 左脚 黒 で両脚とも個体識別番号(
J0631)が記載されていた。
    2,023年4月5日 兵庫県加古郡稲美町(瀬戸内に近い)生まれ、6月13日巣立ちの♂。
    9月22日に現れたトミーと一緒にいるところを目撃した。 他の餌場で一緒になり、連れだって
    愛西市に現れたと見られる。 
     コウノトリの繁殖は豊岡市のみで行われているものと思っていたが、関東などでも行われて
    いるようで急速に数を増やしている。
    

  今後はこの足環の方式が増えてくるとも・・・。 かなり鮮明であるが、色付きと比べて年齢が行って
 から番号が読み取れるかちょっと心配。
    
 
  当日は大変な強風が吹いていて2羽で必死に風に耐えていた。 カラー足環の鮮明さは一目瞭然。
    
      
  2,024年9月28日、愛西市の蓮田に飛来した3羽目の個体。 右脚の足環 上が緑で下が黄色
 左脚は上が青で下が黒 個体識別番号は J0540 2,023年4月5日、石川県津幡町で孵化した
 1歳の♂。 発見当時は1羽だったが、同日 愛西市を離れていたJ0444とj0631も戻ってきて3羽
 一緒になった.。 翌々日にはこの個体だけ残って他の2羽は行方が判らなくなった。  
  周辺の田んぼの稲刈りが終わると乾田化するのでいずれ2羽も戻ってきて更に個体数が増える可
 能性が大きく、現在は♀がいないけどいずれやってきて繁殖地となるかもしれない。
    




                       記  2,024年10月1日