ヘラサギ
コウノトリ目 トキ科 英名:White Spoonbill
学名:Platalea leucorodia
絶滅危惧種としては情報不足に分類
全 長 :85cm
観察可能時期:冬鳥として10月〜4月に飛来するが稀
生 息 場 所:干潟・水田・河川・湖沼など
類 似 種 :クロツラヘラサギ
特 徴 :雌雄同色 成鳥の嘴は黒く、先端のスプーン部分は黄色味を帯びる。 夏羽は後頭部に冠羽
が有り、胸と冠羽が黄色味を帯びる。
幼鳥の嘴は全体が黄色味を帯び、若鳥は黒くなる。 共に初列風切り羽の先端が黒い。
ユーラシア大陸の中緯度地帯・シベリアからカスピ海にかけてのベルト地帯で繁殖、東アジア方面で越冬する。
日本は渡りのルートから外れるので飛来は稀だが日本全国で記録がある。
クロツラヘラサギより観察機会は少ないとされているが、2,007年〜2,008年にかけて湖北で2羽のヘラサギが1羽
のクロツラヘラサギと共に越冬して話題になった。 この時クロツラヘラサギは撮ったけどヘラサギは撮れなかった。
写真は2,005年11月21日に三重県の津市で撮影したヘラサギの幼鳥である。 海沿いの浅い池の中を活
発に歩き回りながら餌を獲っていた。
鳥との距離があったので写真はきれいではないが、嘴全体がカーキ色で風切羽の先端部が黒い幼鳥の特色が
見て取れる。 この写真は逆光で嘴の裏側に光線が透けてよけいにカーキ色に見える。
2,005年11月21日 津市
嘴を表から見る。 気の毒なくらい大きく見える嘴はスプーン部分以外は若干黒味を帯びてきている。
嘴の色だけ見ているとクロツラヘラサギと間違いそうだが顔は黒くない。 初列風切り羽の先端が黒いのは
クロツラヘラサギの幼鳥も同じ。
2,008年10月1日 湖北で撮影の若鳥の冬羽。
2,008年11月6日湖北。 この時期には2羽入っていて上と同一個体。 嘴の色が若干黒味が少ないのでまだ若
い個体。
上と同一日の撮影。 左側は上の写真と同一個体。 右の個体の方が嘴が濃いので成鳥冬羽。
2,010年3月19日撮影の成鳥夏羽に換羽中のヘラサギ。 冠羽が垂れ下がり、首の周りは黄色い夏羽が覆っている。
これまで見た中で一番美しい個体。 3月中旬になると換羽がかなり進むことがわかる。
撮影場所は湖北。
上と同一個体。 真っ黒な嘴の横筋がくっきりと一際鮮やかである。
2,016年2月11日撮影の成鳥冬羽。 よく見ると冠羽が伸び始めて首の辺りに僅かに黄色い羽が見えている。
2月中に換羽が始まり、3月中旬にはかなり進むことがわかる。
2,021年から22年にかけての冬に庄内川河口の藤前干潟で1羽のクロツラヘラサギと2羽のヘラサギが越冬し
ている。 写真を撮りたいところであるが対岸の近寄れない場所であることから無理である。
2,023年2月に鈴鹿川河口に現れたヘラサギ。 嘴は成鳥のように先端を残して全体が黒いが、飛翔写真を
みると初列風切り羽の先端に少し黒味が残っているので完全な成鳥ではない。
上の個体の飛翔写真。 幼鳥のp10は全体が黒いがこの個体にもそれが残っており、p7〜p10の先端が
黒い。
記:2,008年 8月 2日
2,022年 1月 9日 改訂
2,023年 2月 9日
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