ハヤブサ タカ目 ハヤブサ科
英名 Peregrine Falcon
絶滅危惧U類 (VU)
全 長 :♂約38〜45cm ♀46〜51cm ♀が大きい 雌雄同色
特 徴 :成鳥は胸に明瞭な横縞が有り、ろう膜とアイリングは黄色。
幼鳥の胸は縦縞になっていてろう膜とアイリングは青い色をしている。 翌年秋まで幼羽が残
り、2年目に性的な成熟を迎えるころには胸は横斑になっているが、1年目の冬を乗り越えら
れる幼鳥は半分くらいとされる。
ネットで胸は横斑になっているが、ろう膜とアイリングがブルーの個体の写真が掲載されてい
た。 ろう膜とアイリングの色は1年目の冬には黄色くなると思っていたので意外であった。
横斑になってもブルーという事はこの個体が2年目の幼鳥という事になる。
初めての冬にろう膜とアイリングが黄色くなる個体もいるようで個体差は大きい。
一般的に
ハヤブサは1月から求愛行動を始め、3月末頃に3〜4個の卵を産卵。 約1ヶ月で孵化。
巣内育雛期間33〜37日で巣立ち。 その後、巣外で2ヶ月くらい親から餌を貰いながら飛び方、餌の
受け渡し・狩の仕方を習いながら成長し、7月末から8月初めころ親から離れて独立して試練の冬を迎
える。
以上がネットや図鑑で調べたハヤブサの成長過程であるが、1年目の冬を乗り切ったハヤブサの幼鳥
の2年目の夏の情報は見付からなかった。
背割り堤に現れるハヤブサの数は多く無いけど、秋から冬にかけて何回か幼鳥の写真を撮った。
これらはほとんどがその年生まれの幼鳥と見られ、2年目の夏を迎えている写真は1枚も無い。
唯一、7月29日という微妙な時期の写真が有るのでこれが2年目かどうか検討するために幼鳥の写真
を撮影日順に並べて羽衣が変化するかどうか比べてみた。
まず、2,020年7月29日に撮影した幼鳥の写真である。 このポーズから動かなかったので撮った写真
は全て同じで胸は見えない。 7月29日は幼鳥が独立する時期とほぼ重なる。
背景が明るいので逆光となって見にくいが、背中の羽は茶褐色で羽縁はバフ色。 アイリングとろう膜は
青色のままであるが、背中の羽の羽縁が摩耗しているようにも見える。 少し遠く天気が良くなかったので
ISOを下げられなくて解像度が悪い。
写真を撮っている間、この場所から動かずじっとしたままだった。

8月19日に撮影したこの幼鳥は、この後に出会った幼鳥たちが赤味を帯びていたのと比べて衝撃的で新鮮
な美しさだった。 8月19日という時期から見て巣立ちを終えてからそう長く経っていない。
上面の羽は赤味を帯びてエッジはバフ色。 胸の赤味は薄いけど縦斑は鮮明である。
アイリングとろう膜は幼鳥特有の青味を帯びている。
2,007年8月19日撮影


幼鳥の飛翔写真。 青空の元でも翼下面から胴体下面が赤味を帯びている。 上の8月19日の撮影
の写真から12月までの間の写真が全くないのはこの間に背割り堤に入る機会が少なかったから。
12年12月6日撮影

2,013年1月5日撮影の幼鳥。 光線の影響があるかもしれないけど、全体に茶色っぽいのは上の飛翔
写真と同じである。
ハヤブサの幼鳥が冬を越せる確率は随分と低いらしいけど、この若は獲物を捕らえて食事をしているので
立派に冬を越している。 食べているのは小鳥であるが何かはわからなかった。

上と同一日に撮影した同一個体。 背中側から見ても随分と赤味を帯びている。 アイリングとろう膜は
はっきりとブルーのままである。

2.022年1月7日の撮影。 青空の元で撮ったので背中は若干赤味を帯びているものの黒っぽい本来の
色に見えている。

2,011年1月22日撮影のこの幼鳥も背中の赤味は強く、胸の縦縞の赤味も強い。

2,013年2月3日の撮影。 撮影場所が同じなので13年1月5日撮影と同一個体と思われる。 全体的に
赤味が強い。 尾羽は12枚だった。

上と同一個体。 アイリングとろう膜が若干黄色味を帯びてきている。

2,021年3月12日撮影のこの幼鳥はアイリングとろう膜が黄色味を帯びてきている。

上と同一日に撮影の同一個体。

結局、意図した結論は5月6月の写真が得られなかったことで得られなかった。 主戦場としている背割り堤
の夏は餌となる小鳥が少ないのでハヤブサが飛来することは少なく、また探鳥に入る回数も少ない。
もう少しデータが必要である。
幼鳥の写真はたくさんあるけど、成鳥が目の前で写真を撮らせてくれる機会は少ないので殆ど撮れていない。
2,007年11月7日

渡りの時期に撮った成鳥の飛翔。

記:2,023年 4月3日