エリマキシギ
チドリ目 シギ科
英名:Ruff
学名:Philomachus pugnax
エリマキシギの♂はエリマキが白いタイプと、茶色または黒いタイプに別れ、それに僅かではあるが
♀タイプが混じる。 黒いタイプは縄張りをもって闘争心が強い。 白いタイプは縄張りを持たす黒い
タイプに隷属するとされている。
越冬のエリマキシギ成鳥は繁殖羽(夏羽)→非繁殖羽(冬羽)→繁殖羽(夏羽)へと換羽する。
幼鳥は幼羽→第1回冬羽→第1回夏羽へと換羽する。
越冬編
私が観察を始めた2,003以降の20年間に蓮田ではエリマキシギが7回越冬した。 越冬中何回も出会い
が有った年も有れば、ほとんど出会いの無いまま春を迎えた年も有る。
それらの7回の写真を年代順に並べてみた。
図鑑には冬羽の写真が極端に少ないので雌雄の識別は
難しく同定に誤りが有るかもしれない。
@ 2,003年から2,004年の冬
2,004年1月31日撮影 全身が白く嘴が赤いことから成鳥の♂であることがわかる。
この年、オオハシシギなどの常連と共に珍しくヒバリシギが1羽越冬した。
2月29日撮影の同一個体。 この後も何回か通ったけど3月以降は見掛けていない。
A2,005年から06年の冬
2,005年11月16日 成鳥♂冬羽 11月3日には入域が確認されている。
脚は強い美しいカーキ色をしているが雌雄の判定には使えない。 嘴の付け根が僅かに赤味をおび
ている。 また、首が白っぽいのも♂の特徴の一つとされる。 ♀の夏羽は首に濃い横斑が入る。
2,006年2月13日
2月24日 この日の写真は1枚しか撮れていない。 不鮮明であるが拡大してみたら嘴の根元がかなり
赤くなっていたので♂と判断した。 この後行方不明。
B
2,006年から2,007年の冬
この冬は蓮田で
ミズカキチドリ
が発見され、公式に日本初認という事で全国から大勢の人が詰めかけた。
また堺市の大泉緑地では61年ぶりとされる
キガシラシトド
が4月にかけて越冬し、津市の海岸ではこれも
珍鳥の
ハマヒバリ
が越冬して珍鳥ラッシュだった。
蓮田ではミズカキチドリと共に7羽のエリマキシギが越冬した。10月25日に6羽を確認、10月30日に
7羽が揃った。
この写真は11月17日の撮影であるが、この時はオオハシシギがハヤブサに襲われた直後だった。
バサッと音がしたので見たらオオハシシギがハヤブサに叩き落されていた。ハヤブサの狩りは成功しなかっ
たがハヤブサが飛び立った後に7羽が不安そうに寄り添っているところ。 大きさからみると2羽は確実に♂
であるが、他にも姿勢を低くしている♂が混じっていそう。
1月30日 エリマキシギ3羽とオオハシシギ(真ん中)が1羽写っている。エリマキシギは冬羽
に換羽している。 成鳥・幼鳥の数はよくわかっていないが、左端は脚が赤く嘴の付け根が僅かに
赤くて大きいので成鳥の♂。右端は大きいので第1回冬羽の♂に見える。
同じく1月30日。 右端は♂で左端はオオハシシギ。 楽し気な雰囲気を感じる。
2月13日 7羽揃いで♂が3羽、♀が4羽ということになる。 右の3羽は越冬のオオハシシギ
残っている写真はこれが最後。 2月18日以降の写真が撮れなかった。 右端は小さいことと
背中の羽の様子から成鳥の♀とみられる。
C2,009年から10年の冬
この冬はハクガン・サカツラガン・タンチョウ・アメリカウズラシギの越冬やケアシノスリなど遠征が多く蓮田で
の探鳥が手薄になってしまった。
10月14日に撮影。 幼鳥から第1回冬羽に換羽が始まっている。
09年12月16日。 第1回の冬羽に換羽している。
この日はもう1羽のエリマキシギが撮影されている。脚が赤く嘴の黒い♀成鳥であるが、この日
以降の写真が無いことから越冬したかどうかは不明。幼鳥の第1回冬羽と成鳥の違いがよくわかる。
10年2月10日。2枚上より冬羽への換羽が進んでいる。
10年2月27日。嘴が赤くなりかけて第1回夏羽への換羽が始まっている♂。この後行方不明。
D2,013年から14年の冬
2,013年12月19日 第1回冬羽に換羽開始。10月30日には入域が確認されている。
13年12月28日。 上とほぼ同じ冬羽。
14年2月3日。 幼羽から第1回冬羽に換羽している。性別不明。この後行方不明。
E 2,014年から15年の冬
2,014年11月24日。
成鳥とみられるが性別は不明。
2,015年3月12日
G2,021年5月から22年の冬
2,021年10月30日 初認 第1回冬羽への換羽が始まっている。
2,021年11月10日
2,022年1月7日
2.022年1月22日 第1回冬羽に換羽している。
この後行方不明。
記:2,024年11月25日
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