ウチヤマセンニュウ   スズメ目  ウグイス科  
                               英名:Styan’s Grasshopper Warbler      
                               学名:Locustella pleskei  
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    絶滅危惧TB類(EN)  
    全    長 :17cm  雌雄同色
    観察可能時期:夏鳥として4月〜9月に日本の島嶼部で局地的に繁殖。
              繁殖地以南では渡りの時期に観察の記録があるが
。  
    生 息 場 所:特定の島で海岸近くの照葉樹林帯に生息・繁殖する。 
    類 似 種   :シマセンニュウ  

   伊豆諸島・熊野灘沿岸・九州周辺の島嶼部と朝鮮半島南部の島で繁殖し、中国南部に渡って越冬する。
   
   鳥類学会第6回種名には類似種のシマセンニュウのT亜種として
ウチヤマシマセンニュウの名前で掲載
  されているが、最近は別種とする意見が強いのでここではウチヤマセンニュウとした。 
  図鑑によってはウチヤマシマセンニュウで掲載されているものもある。
  カムチャツカ半島など北方で繁殖し、東南アジアに渡るシマセンニュウとは生態的にはかなり異なっている。

  
 ウチヤマセンニュウは生息地が局地的な島嶼部に限定されるため個体数が少なく、開発で生息地が狭め
  られたり人間の持ち込んだ外敵に捕食されたりして絶滅の危機にさらされている。


   三重県から和歌山県に至る熊野灘の離島にはウチヤマセンニュウの繁殖する島がかなり有るが渡るの
  は難しいところが多く、ネット上に出てくる写真は三宅島で撮影したものが大部分だった。
   尾鷲市の中部電力三田火力発電所の構内で繁殖した例が発電所のサイトに紹介されていた。   


   写真は新宮市の小島で撮ったものである。  海岸の照葉樹林に繁殖しており、鳴き声を頼りに姿を探した。
                      
2,007年6月20日  新宮市で撮影
        


            体の色は薄くて目立たない。  センニュウ類・ムシクイ類は識別が難しい。
                        
2,007年6月21日  和歌山県串本町で撮影
        


     類似種のシマセンニュウと比較してみた。 ウチヤマセンニュウが目立たない白っぽい茶褐色をして
    いるのと比べるとシマセンニュウは全体的に緑色が強くて美しい。 特にこの個体は目立っていた。
     ウチヤマセンニュウの方が嘴が長い傾向にあるというが、この写真からははっきりしない。
    尾羽はウチヤマセンニュウの方がかなり長く見える。
                      
 シマセンニュウは2,007年10月17日の撮影
        


                子育て中のウチヤマセンニュウが蝶をくわえて運んでいた。
                         
 2,007年6月21日  串本町で撮影
        


     串本町の個体は目立つ場所に上がることなく、木立の中で命の歌を歌っていた。  鳴き声でいる
    のはわかったがなかなか姿を見せてくれなかった。
                        
 2,007年6月21日  串本町で撮影
        



                          記;2,008年8月23日

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