ツバメチドリ      チドリ目  ツバメチドリ科     英名:Oriental  Pratincole
                              学名:Glareola maldivarum

   滅危惧U類(VU)

   全   長:24cm ・ 雌雄同色
   出現時期:夏鳥として4月〜10月  または旅鳥として春と秋。 秋は幼鳥が多いが、全体的に観察機会は

          ない
。  中国大陸で繁殖するが、本州各地と沖縄で繁殖した例がある。
   生息場所:農耕地・埋立地・河原など乾いた環境を好むが、チドリ目らしく近くに水辺の有る環境での観察例が
          多い。  
   食  性 :主としトンボやバッタなどの昆虫類を食べている。  空中で蝶やバッタを捕らえるのも観察した。

   チドリ目ツバメチドリ科は1科1種のみと特別な地位を与えられていて類似種は無い。 名前の由来どおりツバ
  メに形が似ているので成鳥・幼鳥とも識別は容易。  独特の色彩をしているので特に成長夏羽は魅力的で垂
  涎の的。 
  
   中国の東部・東南アジア・インドなどで繁殖して一部は留鳥、中国東部で繁殖したものは東南アジアに移動して
  越冬する。 日本は渡りのルートから微妙にずれているので飛来数は少なく繁殖するも局地的。 

   2,007年に愛知県で越夏した個体を観察したが1羽だけで繁殖は出来なかった。 繁殖入り前の若い個体
  だったのかもしれない。
    観察機会は多くないが本州各地で繁殖例が有るなど全国的に出現するのでネット上での記録は省略。
                         
2,003年9月 三重県で撮影
         


       まだ若い個体と思われるが、しきりに飛び回ってはバッタなどの昆虫を獲ってきて食べていた。
                      
 2,004年8月22日  岐阜県羽島市
         

  
                    成鳥夏羽・・・不思議な彩をしているものだ。
                         
2,007年5月 津市で撮影 
         

 
            愛知県で撮影した越夏個体。  上の写真と比べると幼さが感じられる。
                      
 2,007年7月31日  愛知県一色町       
         


      同じ個体を9月8日に撮影したもの。  前回から1ヶ月が経ってかなり冬羽へ換羽してきている。
                        
 2,007年9月8日  愛知県で撮影
         


   2,009年8月20日に鈴鹿市の田んぼに同時に2羽のツバメチドリが現われてしばらく滞在した。 どちらも成鳥
  で大きさが異なることから雌雄ではないかと思われるが、繁殖を終えたこの時期に通過地でカップルでいるのは珍
  しい。
                         
2,009年8月20日  鈴鹿市で撮影
          


   収穫の終わった田んぼなど乾いた農耕地で見付けるのは大変難しく、飛んでいるところを見かけて発見される
  事が多い。  この2羽もツバメに混じってよく飛んでは空中で虫を捕らえていた。  まるでツバメのような飛び方
  で、ツバメチドリを追い掛けていたのによく見たらツバメだったということも再三あった。
  羽の下側が赤いのがツバメチドリの特徴である。
                      
2,009年8月20日  鈴鹿市で撮影
          


   2,009年の夏は多かったらしくあちこちで観察され、地元の桑名市では車で近寄れる場所にいたのでそっと
  近付いて車内から至近距離で撮影できた。  成鳥の冬羽で滞在は短かった。
                        
 2,009年8月24日  桑名市
             




                           記:2,008年7月19日
                             2,009年9月15日

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