タマシギ
チドリ目 タマシギ科 英名:Greater Painted-snipe
愛知県では絶滅危惧種。 岐阜県と三重県では準絶滅危惧種。
全 長 : 23〜28cm
観察出来る時期: 本州中部では
留鳥とされているが
冬に見かけることはほとんどなく春から秋が主。
日本で繁殖する数少ないシギ。
過去に一度だけ立田で1月に単独でいる♂を見たことがある。
生 息 場 所 : 水田・蓮田などの湿地に生息し、夜行性と言われている。
類 似 種 :
特 徴 : 鳥類一般と違って♂より♀が派手に装い、♀は卵を産むと巣から離れて♂だけで子育てする。
卵を産んだ♀は他の♂を探して交尾し、卵を産むと巣を離れて戻ることは無い。
抱卵期間は16〜18日 孵化すると親とともに餌を求めて行動する。 育雛期間は1.5〜2か月
日本から南アジア一帯とアフリカ南部、オーストラリア東岸地帯で留鳥。 中国で繁殖するものの一部は冬季南に移動する。
私の撮影したタマシギは桑名市の城南干拓地でのものが大部分である。 以前は毎年必ず見られたけど最近は姿を見る
機会が少なくなった。 個体数が減っているものとみられる。
番いになった♂♀が揃って行動するのを観察していると、♀が♂をリードして先を歩いていることがほとんど。
成鳥♂ 成鳥♀
♀が羽を広げているこのポーズは2,019年5月20日に放映されたNHKの番組「ダーウィンが来た・翼で子育て 頑張れタマシギ父
さん」によれば♂に対する求愛ディスプレーだそうだ。 求愛ディスプレーは♂が行うのが一般的であるが、タマシギは♀が♂に対して
行い、その結果として一組みのカップルが成立した。
タマシギはたくさん見てきたけど左の写真のように喉から胸を膨らませているのを見たのはたったの1回だけである。 ダーウィンが
来たではこのシーンも放送され、フクロウのような声で低く鳴いていた。 ♂に対する求愛ディスプレーの一つと説明していたけど、縄
張りの主張とする説もある。
この写真を撮った時は鳴いているとの知識が無かったので声は聞けなかった。 今から思えば残念だった。
右側の写真は♂♀カップルに見えるが、♂の後ろにもう1羽♂が写っている。 子供を♂に任せた♀が子供たちに会いに来ること
は無いので♀を中心としたハーレムである。
愛西市の水田にタマシギの♂が巣をつくった。 通常はこんな見えやすい場所には作らないのに何か手違いが有ったのだろう。
右側の写真のように巣の近くの草むらに♂♀のカップルがひっそりと隠れて様子をうかがっていたが、結局この巣が使われるこ
とは無かった。
左は8月22日撮影のタマシギの親子である。 産卵数は通常4個で子育て上手のこのお父さん(右から2羽目)は立派に子供た
ちを育て上げた。 子供たちはもう少しで親と同じ大きさになりそうなところまで育って独り立ち間近である。
小さなひなを連れた写真はあるけど警戒心が強くて良い写真が撮れていない。
タマシギは非繁殖期になると小さな群れをつくる。 右の写真は8月19日撮影のもので、親と同じ大きさに育った幼鳥であるか、
または繁殖を終えた♂の群のどちらかであるが、幼鳥の群ではないかと思っている。
タマシギはこの地方では留鳥と言われながら真冬の出会いは1回だけだった。 2,022年1月21日に愛西市で2回目の出会いが
有った。 タマシギは2羽いたけど最初に見つけた時は♂♀のカップルに見えた。 しかし、タマシギは夏羽・冬羽は無いから成鳥♂
または第1回の冬羽=幼鳥のどちらかだろう。 その目で見ると上の写真の個体目先が濃く、顔立ちは♀っぽい。
こちらは別個体。 上と見比べても違いは見えず、成鳥♀以外は識別が困難。 ♂2羽でも良いわけだ。
こうしてみると右の個体は目先・・・嘴付け根付近の色が薄くて♂。 左は成鳥♀のように嘴の付け根が濃い。
記:2,019年12月26日
2,022年 6月 5日改定
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