シベリアジュリン   スズメ目   ホオジロ科    英名:Pallas’ Reed Bunting
                                      学名:Emberiza pallasi
 
   全  長    :14cm  オオジュリンの16cmより小さい
   見られる時期:冬鳥または旅鳥として10月〜4月  日本への渡来数は少なく
稀    
   生息場所   :丈の高い草むら・下に水の無い葦原で草の実や小昆虫類を餌とする。
   類 似 種  :オオジュリン・コジュリン
   特  徴    :オオジュリンに似るが背中に赤味が無くて白っぽく、脇胸の縦斑が無いことなどで違いは鮮明。 
             冬羽は上の嘴が黒く下の嘴は白っぽいツートンカラーも識別点の一つである。
             また、肩の小雨覆いが灰白色なのもオオジュリンと違う。
            オオジュリンは葦の茎を割って中の虫を食べるが、シベリアジュリンは地上で採餌するので同じ
            場所にいることは少ない。
 
             オオジュリンとよく似ていて識別が難しいことから言われているよりたくさん飛来しているのでは
            ないかとする説も有るが疑問。
             類似種のコジュリンは同じように脇胸の縦斑はないが、背中に赤味が有ることから識別する。
             ホオジロの♀がジュリン各種によく似ているが、ホオジロは胸が赤いことが特徴である。
      
    ロシアのシベリア高原からカムチャツカ方面にかけての高緯度帯で繁殖し、朝鮮半島から中国東部沿岸地域に
   渡って越冬する。 日本は渡りのルートから外れるのでごく少数が通過または越冬する程度。

   この個体は越冬したものと推察。 背中に赤味が無く、脇胸の縦斑もない。 嘴がツートンカラーになっており、小雨
  覆いが灰白色になっているなどシベリアジュリンの特徴をよく現している。  脚はピンク色で足指は黒色。
                     
2,009年2月22日  愛知県知多郡  冬羽
         


   上と同じ個体と思われるがこの写真からは性別不明。 背中に赤味が無く白っぽく見える。 白と黒のコントラストが
  鮮やかで、オオジュリンと比べると眉班はほとんど目立たない。  
                     
2,009年2月22日 知多郡東浦町
         


    顎の黒色部がエプロンのように目立つことから冬羽の♂と見られる。 各種図鑑に掲載されている写真やイラス
   トは多くないので雌雄の識別は難しいが、眉班の白いものを♀の冬羽として掲載されているものが目立った。 
    個体の比較ができるほど観察できていないので探しているがなかなか見付からない。
                     
 2,009年2月22日  知多郡東浦町
         


    海岸の荒れた造成地のオオマツヨイグサと思われる丈高い貧弱な草地の繁みにひっそりと生息していた。  
   地上で餌を探しているのでなかなか上に上がらず、鳥が小さいので寄って撮りたかったが警戒心が強くて寄ら
   せてくれなかった。  また、話し声も嫌いらしく、撮影にはいろいろと難儀した。 
    写っている2羽のうち左側はオオジュリンで背中が赤っぽいので違いは明白だった。  
                     
  2,009年2月22日  知多郡東浦町
         



   見逃されている可能性が有る・・・との説を頼りにあちこち探しているがその後見付けられないでいる。 探して
  みるとここぞという環境が意外と少ないのである。  
   オオジュリンもいるが、ホオアカやセッカ冬羽のいるような地上で餌の取れる環境が有ればいるかもしれない。


   2,011年3月15日、高槻市の淀川河川敷で撮影したシベリアジュリン。 現地は小石混じりの荒地の葦原で
  ベニスズメやコジュリンも見られた。
   淀川流域は琵琶湖を通じて日本海側に通じているので鳥相は豊かである。

         



                           記:2,009年3月13日
                             2,022年2月20日



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