オオマシコ      スズメ目   アトリ科     英名:Pallas‘s  Rosefinch
                                     学名:Carpodacus roseus

     全   長  :17cm  ベニマシコより一回り大きい
    観察可能時期:冬鳥として11月〜3月 主として中部以北に渡来するため名古屋周辺では
 
    生 息 場 所:山地から平地の林縁・農耕地・草藪などで、主にハギ類の種子を食べながら小群で素早
              く移動してゆき、一箇所に長居しない傾向が強い。
    類 似 種   :ベニマシコ
     特  徴   :♂をベニマシコと比べたとき一番目立つのは首の白いエプロンか。  


    ロシア東部のバイカル湖から東のシベリア一帯とサハリンで繁殖し、朝鮮半島と中国東部沿海部・北日
   本で越冬する。 
    1,996年から1,997年に掛けての冬に全国的に現われて話題となった。

    オオマシコは名古屋近辺では滅多に見られない鳥である。
   2,003年の3月に松阪市の山の中に出ていると聞いて早起きし2時間かけて見に行った。  現地に行っ
   てみると関西ナンバーを始めとして名古屋ナンバーなど数台の車が林道に連なって息を潜めるようにして
   出てくるのを待っている。  私も列の中に入れてもらって出てくるのを待った。
    出没しているのは♂が1羽で餌付けされていた。  定期的に餌を食べに来るが人の姿を見ると近寄ら
   ない。 これほど難しい鳥なんだ・・・と思いながら苦手のデジスコで何枚か写真を撮った。
                          2,003年3月13日  松阪市で撮影  
 
             



    オオマシコは数年に一度たくさん見られる年が有るらしい。  そのオオマシコが1,996年以来ちょうど
   10年ぶりの2,006年の暮れ頃から東海地方を始めとして全国的に出現して話題を集めた。  
    私はすでに写真を持っていることもあって始動が遅れてなかなか巡りあえず、年が明けてからようやく
   会うことが出来た。
    1羽だけのオオマシコを撮るのに大変な苦労をしたのに、ここでは雌雄の群で現われて車の外でカメラを
   構えている私たちの目の前に堂々と近寄ってくる。  信じられない出来事だった。
                          2,007年1月10日  岐阜市で撮影の♂
    
             


          撮ってきた写真を見比べているうちに、この♀のように見えるオオマシコは♂の若い個体
         ではないかと思うようになった。  図鑑ではそのあたりがなかなか判らないが、書いてあるこ
         とを読みながら見比べていくと頭や喉の赤味が強く肩の辺りから脇腹が白っぽいのと上尾筒
         が鮮やかな朱色をしているなどの点が♀とは違って見える。  
          確たるものではないが、群に若い♂が混じっているのは自然である。 
                     2,007年1月10日  岐阜市で撮影
     
             

       これは♀であろうが成鳥というには赤い色が足りないように思うが、判定できるほど数を見ていな
      いのが残念。  今回は幸いに群で来てくれたので数個体撮れた。 比較するのも面白い。
                         2,007年1月10日  岐阜市で撮影
   
             


        これは上の個体と別の♀か・・・・体を右に捻っているので腹部まで縦斑が有るように見える。
                            2,007年1月10日  岐阜市で撮影
   
            



     数年に一度は群が現われるというから次回のチャンスはありそうだ。  今回は写真を残すことに夢中になって
   個体差には目が行かなかった。
    次回はなるべくたくさんの個体を撮って若い未熟な♂♀を見極めたいと思う。 
  



                               記:2,008年9月2日


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