オジロトウネン    チドリ目  シギ科      英名:Temminck’s Stint
                                         

     全   長   :14cm  雌雄同色
     観察可能時期:秋は8月末頃から
5月中旬ころまで  一部が越冬する
     生 息 場 所:水田・蓮田などで海岸には入らない淡水生のシギ
     類 似 種   :小型シギ一般
     特   徴   :日本で普通に見られる淡水生で脚が黄色い小型シギはヒバリシギとオジロトウネンのみ。 
               ヒバリシギに比べてオジロトウネンは地味である。
               秋に飛来する幼鳥は背中の羽衣に黒い羽軸とくっきりしたサブターミナルバンドを持つので
               識別は容易。
               このようなサブターミナルバンドを持つ幼鳥はコオバシギと本種のみで共にオバシギ属に分類
               されている。
              
     ユーラシア大陸の北極圏で繁殖、冬は東南アジアから中央アフリカに渡って越冬する。  日本は東南アジアへ
    の渡りのルートの東の縁に当たっているので淡水性のシギ環境では普通に観察される。
     シギチドリの写真をたくさん取ってきたなかで撮影機会の一番多かったのはオジロトウネンで、なんだジロネン
    か〜と雑に撮ってきたけど、仔細に見てみると変化に富んでいた。
      
     愛知県から岐阜・三重県にかけての一帯に、通常は9月の中旬頃から姿を見せ始め、一部は越冬するので今回
    は秋の渡りから写真を掲載する。
      
     2,022年8月に蓮田に現れたオジロトウネン。 8月に姿を見たことは無く、しかも見慣れた冬羽でも無い黒い
    羽衣にとても混乱した。 脚が黄色いのでオジロトウネンに間違いがないと思ったけど・・・。
                     2,022年8月23日  愛西市
         
 
      上と同一個体かは不明。  夏羽がぼろぼろに摩耗しているが僅かに黄色い夏羽も見られる。         
         

      これは別個体で脚を含めて全体の黒さが際立っていた。 アメリカヒバリシギではないかとあれこれ調べた結果
     羽衣がボロボロに摩耗したオジロトウネンの成鳥との結論に達した。 背中に冬羽が見え始めている。
                           2,022年8月23日  愛西市
         
    
     9月上旬に飛来したこの個体はかなり夏羽を残していて上の個体との違いが顕著。 これだけ夏羽を残した
    個体も珍しい。 
                       2,012年9月3日  羽島市 成鳥
         

     上と一緒にいた個体。 黒く摩耗した羽衣の上に冬羽が生え始めている。 
                         2,012年9月3日  羽島市 成鳥 
         

   9月下旬なると冬羽に換羽した成鳥が普通に見られるようになる。 この中には2回目の冬羽も混じっているが
  この時は成鳥羽と同じになっている。 
                        2,021年9月25日  愛西市
         

   9月下旬に現れた幼鳥。 黒い軸斑と雨覆いのサブターミナルバンドが鮮やか。 この個体はサブターミナルバンド
  の外側の白い羽縁がかなり摩耗している。
                       2,022年9月29日  愛西市
         

     同じく幼鳥で上の個体より第1回の冬羽への換羽が進んでいる。 幼鳥の冬羽への部分換羽は8月から9月
    下旬にかけて始まり、11月にはほとんど終る。
                             2,020年9月30日  愛西市
         
                                                     
      背中から雨覆いにかけて換羽が進み、僅かに幼羽を残すだけになった幼鳥。  P6ーP10の初列と内側
     次列風切り羽の換羽は12月〜5月にかけて行われ。 4〜5月にかけて夏羽に換羽するようだ。
                            2,021年10月4日  愛西市
         

    冬羽への換羽を終えた成鳥。 
                       2.021年11月10日  愛西市
         

    越冬中の成鳥。 毎年のように小数羽が越冬しているがなかなか姿を見せてくれない。 
                        2,023年1月31日  愛西市
         

    夏羽への換羽の開始はゆっくりで3月中にはまだ見られない。
                         16年3月20日  愛西市
         

    4月に入ると換羽が始まるがこの個体はまだ冬羽のまま。
                         2,010年4月11日  愛西市
         

    第1回の夏羽に換羽中とみられる。 この年は越冬記録が無いので渡ってきた個体か。
                       2.020年4月21日  愛西市
         

    かなり換羽が進んでいる。 この冬は越冬していたので23年1月31日撮影の個体の可能性もある。
                       2,023年4月20日 愛西市
         

    4月も下旬になって随分ときれいになってきた。 
                      2,010年4月26日  愛西市
         

   5月に入って夏羽への換羽が進んできたが、夏羽への換羽が終わるのは6月に入ってからとされており、この
  地方からは5月中旬頃にはいなくなるので完全な夏羽は見られないとされている。
   私が春に撮影したオジロトウネンで一番遅い日の撮影がこの個体で完全な夏羽への換羽途中にあるという事に
  なる。 
                       2,013年5月6日  愛西市
       
         


                               記:2,024年7月8日
                                 

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