クビワキンクロ       カモ目  カモ科    英名:Ring-neck Duck
                                  学名:Aythya collaris


   全    長  :43cm
   観察可能時期:11月〜3月
   生 息 場 所:河川・池など 淡水性のカモでキンクロハジロなどに混じって行動する。
   特    徴  :形態はキンクロハジロに似るが冠羽は無く、後頭部が盛り上がっているのが特徴。 
             ♂は嘴に白い縁取りが有って前から見るとM字型に見える。 
             ♀は黒い嘴の先端付近の白線がよく目立つ。  どちらも多数のキンクロハジロの中から見
             付けだすのは難しそうだが、常にチェックは怠らないようにしている。 

 北米大陸の北部で繁殖し、同大陸の南部から中米地域で越冬するため日本へはごく稀にしか飛来しない迷鳥。
1,977年に東京の不忍池で初認され、以後各地で少数観察されているが西日本での記録は稀。

 
不忍池では毎年定期的に1羽が飛来して餌をもらっていたようだが、最近はどうなのか調べが付かなかった。


   写真は2,004年2月に名古屋市の牧野ヶ池に飛来した♀。  遠かったうえ苦手のデジスコでの撮影なの
  で2枚目の写真同様写りが悪いが、嘴先端付近の白線はよく出ている。  嘴付け根の白い部分も類似種に
  は見られない特徴である。
                    
2,004年2月9日  名古屋市牧野ヶ池にて撮影の♀   
          

           
           



  次は2,006年5月に愛知県に立ち寄ったクビワキンクロの♂。  海岸堤防沿いの養魚池でキンクロハジロに
 混じって寛いでいた。
 この時も堤防の上からの撮影で距離が有って写真は厳しかったが、特徴的な姿はすぐに確かめられた。
 日本での観察例は3月までが大部分なので5月の出現は珍しい。 旅の途中で立ち寄ったものだろうが、この時
 期にうろうろしているところをみると飛来数は観察例以上に多い可能性も有り、カモを見る楽しみを増してくれる。
                      
2,006年5月14日 一色町にて撮影   
          



           


 
  2,013年2月に豊川市の豊川で発見されたクビワキンクロの♂。  数羽のキンクロハジロと行動を共にしていた。
 一色町のときより鳥までの距離が近く、最短で30mくらいまで寄ってくれた(一人で静に観察していた)ので尖った頭・
 嘴の縁取り・首の下の白い部分の大きな切れ込みなどクビワキンクロの特徴がよくわかる写真が撮れた
。  
          


  名前の由来となった頚部の赤紫の首輪は鮮明ではなく、はっきりと写っている写真は図鑑でも見付からなかった。
 この写真は曇天で撮ったものでやはり首輪は不鮮明で微かにしか見る事ができない。  クビワキンクロの識別で
 一番判りやすいのは嘴の白い縁取りだろう。

                        2,013年3月25日  豊川市
          


  2,020年12月初旬、いなべ市のため池で見付かったクビワキンクロの♀。 
  その後行方不明になっていたのを翌年1月26日に両ヶ池にいるのを発見したが、1月初旬のガンカモ調査で野鳥の会三重
 が確認していたことを知った。   

  図鑑に掲載されているクビワキンクロの♀と比べるととても汚ないし、白いアイリングが不鮮明なのでハイブリッドではないかと
 いう意見も有ったけど、強い異論は出ていないし2,004年の♀と比べても違いは少ないのでクビワキンクロの♀で良いと思う。
  この個体はそのまま越冬して3月25日が終認となった。 
                           2,021年2月23日
   
          

                           2,021年3月25日
          



                           記:2,008年7月13日
                             2,013年4月 1日  追記
                             2,022年1月23日  改訂

 

                               目次に戻る