イスカ
スズメ目 アトリ科 英名:Common Crossbill
学名:Loxia curvirostra
全 長 :17cm
観察可能時期:冬鳥として10月〜5月 樹上性
生 息 場 所:平地から山地の針葉樹林帯というが平地にはなかなか降りてこない。
非繁殖期には数羽から十数羽の群で生活し、数年に一度大きな群が来ることがある。
類 似 種 :群にナキイスカが混じることがある。 ギンザンマシコは内地では稀。
特 徴 :イスカの嘴の食い違い と言う有名な言葉に象徴されるように、嘴の先端が右または左に食い
違っており、シメを思わせる強固な嘴で松かさをこじ開けて中の実を食べる。
♂は派手な色をしているが♀は地味で目立たない。
主として樹上で生活し、水を飲みに地上に降りることがある。
ユーラシア大陸の日本海沿岸地域からヨーロッパに掛けての中緯度帯・及びUSAとカナダの国境の中緯度
地帯で繁殖・越冬。 日本には冬鳥として全国に飛来するが、年によって渡来数にはかなりの差がある。
渡来数が多い年には日本でも秋口からカップルの形成が見られ、冬に繁殖して春には幼鳥が見られることも
あるそうだ。
嘴の食い違いの方向は個体によって違っている。 この♂は上の嘴が右にずれていた。
2,008年10月29日 郡上市
滅多に見られないことから憧れの鳥だが頑丈な嘴はシメを思わせ、愛らしい顔立ちとは言えない。 初めて見た時
は思ったより 赤かったのでびっくりした。
2,008年10月29日 郡上市 ♂
♂と違って♀は随分と地味である。
10月29日 郡上市
行動を見ているととても面白かった。 松かさをむしりとり柄の部分をくわえてお気に入りの木に運ぶ。
この時に見た群はかなり大きく30羽ほどもいて賑やかだった。
2,008年10月29日 郡上市
この木では6羽の♂が思い思いの場所で松かさに挑戦していた。 一つを食べ尽くしてから次を取りに行くわけ
ではなく、食い散らして根元に殻がたくさん落ちていた。
2,008年10月29日 郡上市
食い荒らされた松かさ。 リスも齧るが、リスの齧ったものはリンゴの芯のように真ん中辺が食われているので
イスカの食痕とは区別がつく。 こんな松かさが見付かったらイスカがいた可能性がある。
松かさは落ちると乾燥が速くて2〜3日で傘が開いてしまう。 まだ開いておらず締まっていたら落ちてからの日
数が経っていない。
どんなものを食べているのか松かさを分解してみた。 鱗片の間に薄い羽のような翼があり、その付け根に小さな
黒い実が付いていた。 松の実は食用になるものもあるが、日本の松の実は食用にならない。
どんな味がするのか食べてみたら味は無かったがトロリと柔らかくて栄養がありそうだった。
種の下に写っているのは爪楊枝の頭。 種の大きさは2〜3oくらいととても小さいので腹いっぱいになるまで食べ
ようと思うとかなりの量が必要になる。
イスカは高い木の上にいることが多くて何回撮っても満足できる写真は難しい。
2,008年12月1日に愛知県の三河湖でイスカの写真を撮ったけど逆光など条件が悪くて良い写真は撮れていない。
2,013年12月6日に松阪市でイスカの写真を撮った。 相変わらず遠かったけど近くでも撮れて特別警戒心が特別
強いというほどでは無かった。
♀、 固くて鋭い嘴で松の実を齧っていた。 嘴が食い違っていることがどう食べやすさに繋がっているのか判らない。
以下2枚は♂の同一個体。 食べることに貪欲だった。
2,010年3月7日
2,024年2月1日
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