イナバヒタキ スズメ目 ツグミ科
英名:Isabelline Wheatear
学名:Oenanthe isabellina
全 長 :16p
見られる時期:極めて稀な迷鳥として4・5月と9月頃
生息場所 :河原・農耕地・草地などで小昆虫や蜘蛛などを捕食する。
類似種 :サバクヒタキ・ハシグロヒタキ・セグロサバクヒタキなどのサバクヒタキ類
サバクヒタキ類はどの種も滅多に見られない上、よく似ているので識別が難しい。
特 徴 :比較的明瞭な白い眉斑と目先が特に黒い過眼線が特徴的。
サバクヒタキ類の4種は尾羽の先端が黒いが、ハシグロヒタキとセグロサバクヒタキは先端の黒色
バンドの幅が狭く、サバクヒタキとイナバヒタキは幅広いことが重要な識別ポイントになる。
バンド幅の広いサバクヒタキとイナバヒタキの違いはmサバクヒタキが全体的に幅広いだけなのに
対してイナバヒタキは逆T字型になっていてこれはハシグロビタキやセグロサバクヒタキと同じである。
黒海南部から中国北部・モンゴルにかけての比較的乾燥した地帯で繁殖し、中国北部では留鳥・のほか冬は
アラビア半島からアフリカの砂漠地帯に渡って越冬する。
日本では1,910年に鳥取県で確認された以後千葉県・新潟県・愛知県・大阪府・大分県などで記録が有るよ
うだが、ネットで検索して出てくる僅かな記録はほとんどが舳倉島のもので、本土での詳細はわからなかった。
日本本土は生息地からも渡りのルートからも遠く離れているので極めて稀な珍鳥である。
2,008年9月に愛知県で観察されたイナバヒタキ。 海岸沿いの養魚池が散在する地域に姿を見せた。
2,008年9月7日 愛知県一色町
♂成鳥の繁殖羽の写真によれば背中が黒っぽくなるようだが、9月という時期から非繁殖羽と見られるので雌雄は
不明。 明白な眉斑と黒い過眼線・・・特に目先の黒さがイナバヒタキの特徴をよく現している。
2,008年9月7日 愛知県一色町
比較的人を恐れず、ギャラリーが見ている前で20m以内の地上に降りて餌を探していた。
2,008年9月7日 愛知県一色町
識別ポイントの一つとなる尾羽はこれしか撮れなかった。 先端の黒いバンドが幅広なところからサバクヒタキか
イナバヒタキのどちらかと判る。 他の比較ポイントからイナバヒタキと識別されているこの個体はT字縦の線が
不鮮明だが、サバクヒタキであれば全体的に丸く盛り上がる。
2,008年9月7日 愛知県一色町
記:2,009年3月22日
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