ハイイロガン カ モ目 カモ科 英名:Greilag Goose
学名:Anser anser
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全 長 :80cm 雌雄同色
観察可能時期:稀な冬鳥として10月〜4月に全国的に記録がある。
生 息 場 所:湖沼・農耕地 マガン・コハクチョウ・オオヒシクイなどと同じ環境。
類 似 種 :マガン・ヒシクイ
特 徴 :ピンク色の嘴や脚で識別は容易。 ガン類の中ではヒシクイに次いで大きい。
アジア大陸の中緯度帯=ロシア・中国国境からカスピ海方面の広い範囲で繁殖し、冬季は中国南部
からインド 北部方面に渡って越冬する。
日本は渡りのルートから外れているので迷鳥として稀に飛来するだけ。
ユーラシア大陸の極地方で繁殖するマガンとの接点は越冬地だけで機会が多いとは言えない。
過去の出現記録をネットで調べてみたが、2,000年3月の香川県以外は出てこなかった。 他に時々
見かけるとの記述や、飛来しても秘密にされている・・などの噂も聞くが極めて珍しいのは間違いない。
2,010年2月13日に滋賀県長浜市の木ノ本町に1羽のハイイロガンとマガンが連れ立って降り立った。
この2羽は昨年2,009年11月27日に沖縄県の名護市に現れて越冬、2月10日に確認されたのを最後に
北に向かって飛び立った。 2月12日に奈良市の水上池に数時間滞在した後、2月13日には湖北野鳥セン
ター職員によって湖北に到着しているのが確認された。
2羽は西浅井町の水田地帯でコハクチョウ・ヒシクイ・マガン・サカツラガンとともに体力を養ってから2月23
日を最後に北に向かって旅立っていった。 ピンク色の嘴と脚がとても印象的で他のガン類と間違うことは無
さそうだ。 食性はサカツラガンやマガンと同じで枯れた草を好んで食べ、コハクチョウのように泥の中に嘴を
突っ込むことは無かった。
2,010年2月15日 長浜市西浅井町
ハイイロガンと行動を共にしていたマガン。ハイイロガンは成鳥で、マガンは亜成鳥=若鳥と見られる。
繁殖地が異なり、僅かに越冬地が重なる両者がどこから行動を共にするようになったのか興味深い。
2,010年2月15日 長浜市西浅井町

2,010年2月9日に沖縄県で撮影した写真をお借りしてきた。
個体識別は容易ではないが、ハイイロガンとマガンの組み合わせであること。 マガンの嘴付け根の
白色部分の大きさが双方とも成鳥より小さめであることから同一個体としても差し支えない。
2,010年2月9日 沖縄県にて撮影
記:2,010年3月13日
2,010年4月18日
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