アカハジロ カモ目 カモ科 英名:Baer’s Pochard
学名:Aythya baeri
環境省は絶滅危惧種として情報不足(DD)に分類 1,994年には10,000羽以下と推定されている。
国際自然保護連合は 絶滅危惧IA類(CR)に分類 日本への飛来は少ないため情報が不足していて分類に
差が出ている。 2,020年頃の推定数は1,000羽以下で絶滅寸前の状態。
全 長 :45p
観察可能時期:11月〜3月 数の少ない冬鳥
生 息 場 所:内陸部の湖沼・河川・池
類 似 種 :メジロガモ
特 徴 :メジロガモに似るが頭は尖っておらず、雌雄はほぼ同色。
♂の頭部は緑色がかってメジロガモのような褐色味は無く、雌雄とも脇に白色部分がある。
♀は頭部の緑色が薄く嘴の付け根に茶色い斑が有る。 ♂の虹彩は白くメジロガモに似る。
♀の虹彩は褐色。
中国東北部・アムール川周辺で繁殖し、中国南部から台湾辺りにかけて越冬する。 日本は渡りのルートから外れ
ているので数は少ないが、全国で記録がある。
写真は尾張旭市の森林公園・岩本池に飛来したアカハジロの♀。 大阪周辺の池には時々入るようで小さな池で
あれば写真も撮りやすいが、岩本池は大きな池でこの個体は警戒心が強くともすれば池の向こう岸の数百メートル先
まで行ってしまうのではきれいに撮れなかった。
2,009年1月7日 尾張旭市 ♀
池ではキンクロハジロやホシハジロに混じって行動し、盛んに潜って水草を食べていた。 嘴の根元に♀特有の茶
色の斑が見えており、虹彩の色は♂が白いのに対して♀は茶褐色である。
2,009年1月7日 尾張旭市 ♀
陸に上がっているのを見ると脇と下尾筒の白さが目立った。 メジロガモも同様に下尾筒は白い。
2,009年1月7日 尾張旭市 ♀
岡山県浅口市金光町の池に飛来したアカハジロの♂。 内陸部のこの池には昨年も飛来している。 尾張旭市の
池と違って池の周りに遮るものはもなく、ホシハジロなどと行動を共にしていた。 ♀と違って虹彩の白色がはっきりし
ている。
2,010年1月9日 岡山県浅口市 ♂
天気が良かったので頭の緑色がとてもきれいだった♂。 比較的警戒心が薄くて一人でじっと待っていたら寝たふ
りをしながら20mくらいの距離まで風に流されて近付いてきた。
2,013年1月31日 滋賀県守山市の琵琶湖
2,021年11月15日に三重県いなべ市の池に入ったアカハジロの♂。 ホシハジロの群れに混じって行動していた。
頭の色が緑色では無くメジロガモのように赤かったので交雑種かもしれないと思った。
11月16日撮影
後ろ側から見ると後頭部に緑色が見えているので交雑種ではなく、繁殖羽への換羽中のエクリプスと判断した。
エクリプスとして別角度からの写真を見るとかなり頭の緑色が見えている。 エクリプスは♀に似るけど、アカハジロの
場合は♀には似なくて頭が赤くなるようだ。 この個体は三日の滞在で抜けてしまった。 換羽してゆく様子を見たかっ
たので残念であった。
上の個体と同一個体と思われるアカハジロが2月初旬に完全な成鳥の♂として近くの公園の池で見付かった。 個体
数の少ないカモでこの地方に入ることは珍しいので同一個体とみて間違いないと思う。
エクリプスと判断した個体が換羽を終えて発見されたのはとても嬉しいことであった。
2,022年2月7日 三重県四日市市
上の写真では頭が黒く潰れてしまっているけど、この写真では奇麗な濃緑色が美しい。 ハジロ類によく見られる初列
次列の白い翼帯が鮮やかだった。
記:2,009年 1月11日
2,010年 3月 3日
2,013年 1月31日
2,021年11月22日
2,022年 2月22日改訂
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